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競争とうつ【声優・Youtuberなど、憧れの仕事こそうつ病・適応障害に注意、精神科医解説】

0:05 はじめに(有名人(声優・Youtuberなど)のうつ病・適応障害告白)
1:01 憧れの仕事は競争の激しい仕事、そのリスク
4:57 うつ病・適応障害から守る要素、現実的対策等
8:59 まとめ

ここ最近、声優やYoutuberなど「あこがれの職業」とされる方のうつ病・適応障害の告白が続いています。「あこがれの仕事」は一方で「競争の激しい仕事」ストレスからのうつ病・適応障害リスクには注意が必要です。
精神科医が10分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

(1)はじめに(有名人のうつ病・適応障害告白)
さまざまなうつ病・適応障害。今回は「競争とうつ」についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
ここ最近、いわゆる有名人の方のうつ病・適応障害の告白が増えているというところがあります。今回も声優の方が適応障害を告白されたというところを背景にして作っています。

その中でも以前ですと、俳優の方であったり、YOUTUBERの方がうつ病・適応障害を告白されたケースが、少なからずあります。人によっては「あんなに有名でうまくいってるのに、どうして」みたいな話を聞くことがあるんですけれども、ある種そういう憧れの職種の方というのは、実はうつのリスクはある種高いとも言われます。

なぜならば、ある種の憧れの職種というのは、競争が激しい職種ということもといえるからです。
今回は「競争とうつ」ということについてやっていきます。

(2)憧れの仕事は競争激しい仕事、そのリスク
ある種、「夢や憧れとリスクというのは紙一重」というのは今回の話の要点です。

憧れの職業といえば、例えばプロのスポーツの選手であるとか、女優さんであったり、俳優さんであったりとか、最近は声優さんということもありましょうし、漫画家やデザイナーという方、最近ですといわゆるYOUTUBERを目指したい方もいると思います。
今挙げた中での共通点は、基本的には競争が非常に激しいということです。言い方を変えると、需要よりも供給がすごく大きい。実際に入れる人の数と比べて、やりたいという人の数が圧倒的に多いというところが背景にあります。
これがあるとどういった(先ほどの)リスク・ストレスが生まれてくるか。

まず1つ目のリスクとしてはある種の力関係。必要な人よりも、やりたい人がすごく多いということになると、ある種雇う側の方が雇われる側よりもはるかに立場が強くなると、それはもう声優の業界でもそうでしょうし、他の業界でもそうかと思います。
そうなってくると結果として待遇は悪くなってきやすい。お給料も下がりやすいということだったり、労働環境もちょっと過酷になってしまいやすい。
で、あとは強く言われる(一種パワハラ的)なことが出るリスクというのは、どうしても力関係上否定できません。

2つ目のリスクとしては、同業での競争ということになってきます。やりたいという人の方が圧倒的に多いという中、まず普通の質だと埋もれてしまいますので、ある種飛び抜けたものがないと厳しいです。
かつお互いが少ないものを争うわけですから、(互いが)ライバルになってある種気を許せず、緊張が続くことがあります。
そして、努力だけでは何とかなりにくいという場合が少なからず出てきます。

リスクの3つ目としては、じゃあ有名になったらどうかというところなんですけれども、まず有名になったとしても、立場を維持するのにも非常に大きなエネルギーが必要になる。
2つ目としては、いわゆる誹謗中傷など「有名税」。
あといろんな人が寄ってくる、その中で誰を信じ・誰を信じない方がいいかというところで、一種の緊張感が続いてしまうということは言われると思います。

ここでうつ病・適応障害もう一回振り返ると、ストレスが発症や悪化の背景にあるということが一番のポイントです。
ということは、今のような憧れの職業・競争が激しい職業ですとストレスが高い状態が続くので、結果をうつのリスクは上がるということが想定されるということになります。

(3)競争にはいい面もあるが
ただし、競争には確かにいい面もあります。ある種ライバルが多くて切磋琢磨することによって、自分の中ではより能力を上げていくということはできるんだと思います。いいトレーニングにはなるんだと思います。
あとはそういう意味で、いろんな人が競争しながらエネルギーが集まってくることによって、物事は進展しますし、ある種時代を作るというところにもなってくると思います。
それと関連してある種ハイリスクだけどもハイリターン・得られるものも大きい面はあります。
ですがやはりリスクはある、うつ・適応障害のリスクがある・ストレスはあるということを知っておくということは大事だと思います。その上でチャレンジということを考えてもらいたいと思います。

(4)ストレスの中でうつ病・適応障害から「守る要素」
という中で、その「うつ」から守る要素というところですが、まずはやりがいや達成感というところ。もちろんそれがあるから目指すということもあるわけですけれども、これを持ち続けるという事は大事です。一つコツとしては、結果よりも過程(プロセス)にやりがいや達成感を持っていくというのがコツになるかと思います。第三者が決めてしまう(ものでなく)自分自身で持ち続けられるものというのがヒントかと思います。
2つ目としては、リスクを知った上で状態を観察することということです。うつや適応障害、前触れというのは結構あったりします。寝れなくなったりとか、何か違和感があるとか、そういうことがあったりします。なので、ちょっと競争が激しいってことはリスクがあるということを知りつつ、状態を見ながらいろいろトレーニング・チャレンジしていって、ちょっとまずいなと思ったら、早めに対策をとれるようにするということです。
そして、3つ目としては相談相手がいるというところ、もしかすると同業での相談が難しい可能性もありますけれども、他の友人関係でもいいと思いますので、そういう相談できる相手がいると「抱えすぎない」というところにつながっていくんじゃないかという風には思われます。

(5)競争が激しい中での現実的な対策
そして、そういう競争の激しい中にいる時の現実的な対策をどうするかというところを見ていくと、まず1つ目としてはやりがいや達成感を見失わないことです。過酷でもやりがいがあれば、そこで持ちこたえやすいということがあるので、そのやりがい達成感を見失わない。ただ、どちらかというと、結果よりプロセスを重視することでもありますし、状況によってその目標や達成感の基準を柔軟に調整していくというのも大事かと思います。
2つ目としては、日頃からのストレスや疲労の対策です。競争は激しいですから、ストレスや疲れというのは、気を張ってあまり見えなくても、基本的には溜まっていると思っていただけたらと思います。なので自覚的にはたまっていなくてもたまっていると仮定して、そういう気分転換や疲れを取れる時に取る、休める時に休むということの徹底が大事と思います。
そして3つ目は、「不調な時は早めに相談・受診を」。やはり抱えてしまって悪化してからと色々対策が難しくなるので、早めに相談できるといいですし、もし不調が続くならば早めに受診をしていただくというのがいいと思います。
私たち(の医療法人)も日曜日に開院したりとか、なるべく早めに受診していただくということを大事にしています。これは何でかというと、チャレンジするということは、やはり時としてそういう不調のリスクというのがあるんです。ただ、不調になっても、そういうすぐ診れるところがあれば安心というところはありますので、そういう意味で「そこのバックアップはある」というところを私たち(当医療法人のクリニック)で確立しまして、それで皆さんがチャレンジしていただけるといいなという風に思っているところです。

(6)獲得した技術を、視野を広げて生かす
ということがあった上で、あとはそういうチャレンジをした上でもう一つ大事な視点としては、この特技を多様に生かしていくというところになると思います。競争の中で身につけた特技をいろんな形で生かしていくというのがもう一つ大事な点だと思っています。
いろいろ競争の中で専門的な技術を磨いていきます。この専門技術は、そこの業界だけだと非常に競争激しいんですけれども、ちょっと視野を広げると、これはいろんな人がこの技術が欲しいと思っています。需要は非常にあるというところがあります。

例えば、例を出しますと、声優さんであれば最近だといろいろな企業さんの動画などを作る中で、ナレーションとかは非常に需要が大きいです。そういうところであれば、この特殊技能が非常に活きてくるということになります。
あと、デザインとか漫画とかされている方であれば、これはホームページとかに関しても、小さい企業なども含めると本当に需要がたくさんありますので、デザインは非常に生かせる部分が大きいと思います。
あと、YOUTUBERの方でありましても、今最近、動画広告とはよく言われますけれども、まだ非常にできるところは少ない技術を持っている方は少ないというところがありますので、これも非常に活きてくる場面は大きいかと思います。

こういうふうに特技というのは、ちょっと視野を広げれば生かせる部分があるということは大事にしていただけたらと思います。

(7)まとめ
今回は、様々ななうつ病・適応障害、その中で「競争とうつ」ということについて見てきました。ある種憧れの職業というのは競争が激しい職業ということです。
その結果、どうしてもストレスが高くなってしまって、うつのリスクというのはあると言わざるを得ない。一方で、やりがいを見失わずに競争もいい面もありますので、その意味を生かして不調な時は早めに相談・受診をするというところで、現実的にやっていただけるといいのかもしれない。
その中で「競争で得た技術」というのは、少し視野を広げると色んな分野に生きてきます。なのでそういう意味でしっかりチャレンジはした上で、もし行き詰まることがあったならば、少し視野を広げて、せっかく身につけた技術を生かしていただけたらという風に思います。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

#うつ病 #適応障害 #声優 #女優 #Youtuber  

【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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